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音楽現代2022年の表紙

「音楽現代」2022年1月号より、新しいシリーズでの表紙が始まりました。
精緻な描写で「音楽」の世界を表現する(株)イノベーションパートナーズ所属コンテンツクリエーターのナオキ・シシドさんの作品で彩られていきます。

ぜひお手にとってじっくり向き合っていただきたい作品群となっております。向き合うポイント、そして見えてくるもの、聴こえてくるもの、季節感…。五感をくすぐられる表紙作品の数々をこのページでご紹介してまいります(毎月の表紙をこのページに更新していきます)。

 

音楽現代2022年12月号─「終点」

周期は一巡し、淡い記憶と共に季節は白紙の時間へと姿を変える。
されど時間は地続きで、全ては繋がっている。とても身近な出来事である。
見慣れた光景が目の前に広がるが、この先に同じ時間などは存在しない。
(ナオキ・シシド)
題材曲:バッハ/G線上のアリア

 

「12月号のモチーフ」作者からの詳細解説はこちら。 ↓

1.終点
未来へ進む全ての時間が行きつく地点です。全ての時間は白紙となり、あらたな時間が流れ、過去として記録されていきます。
日常の何気ない景色、生物の営み、四季と流れ感じる空気は年々変わらないかもしれません。
ですが、1サイクル1秒ごと時間を重ねるごとに世界は動いていて同じものは一つもないのだと思っています。故に世界は愛すべきものであると考えています。

2.淡い色の空間
季節や出来事を“色”として、白時の空間は“プレーンな世界”になります。
空間で出来事が起これば、それぞれに世界に生きる住人の記憶と共に色づき、空間へ記録されていきます。
記憶とは、時に曖昧で不可視な存在です。見ようとすれば見えるけれど、普段は静かに眠っているイメージがあるので、淡い色と白を主に使用して製作しました。

3.黒線
この世界での“線”は記憶や出来事を繋ぐ“鎖”であり、物事を可視化する存在です。抽象的な世界に色付いた空間を形あるものにして、心と触れ合えるようにするもの。
自分の絵は夢や空想、日ごろ感じた事を形として紙に写すことを目的の1つとしています。
なので“線”は絵に対するを想いを表現したもので、常に時間とともに流れていくものであることを表現しました。

4.時計(断片)
2022年1月号に記載した時計の断片を、うねりの中に描きこみました。1月号の時計は、心臓の鼓動と年の移り変わりをイメージしております。
12月号の時計も時間の移り変わり、同じサイクルが一巡したことと、時間の連続の中で歴史を紡ぐこの先の時間は未知であり、形成していくのは今現在であることを意味しています。

 

音楽現代2022年11月号─「monsoon」

 

 蟲の声は静まり、地表に漂う空気の香りは、切なくも心地よい。
冷気を帯びた風は、美しくも厳しい季節の訪れを告げる。
(ナオキ・シシド)
題材曲:バッハ/G線上のアリア

 

「11月号のモチーフ」作者からの詳細解説はこちら。  ↓

1、木枯らしの大地
・冷気をまとった季節風が大地に流れ、次第に季節が変化していく様子。
・変化していく事で静まり返る大地の様子。
・草木は枯れ、蟲の声は静まり、地表の色が見え始めた。

2、冬支度する木々
・厳しい季節と共に、姿形を変える生物の強さを表現。
・寒樹は地に根を深く張りたたずみながら、力を蓄える。

3、季節風の柱
・全体的に流れる風の核となる部分。

4、季節が漂い、吹き荒れる空気の様子
・季節の節目に流れる風と空気が空間を支配する。
・風の吹くタイミングは、季節のみが知りえる。
・人を始め生物は、小さな兆しを感じることで節目を知ります。

 

音楽現代2022年10月号─「閃光の灯」

 

 満たされてゆくエネルギーの塊をイメージしました。
秋は冬へ向けて、備える季節。植物は実り、動物は実りを讃え、迫る厳しい季節の入口で喜びを分かちます。
命は燃え、巡り、そしてゆっくりと私達の血肉となり、時を超えてゆきます。
命の流れを濃く感じる食欲の季節。(ナオキ・シシド)
ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」第2楽章[家路]

 

「10月号のモチーフ」作者からの詳細解説はこちら。↓

  1. 凝縮された空間
    ・あらゆるエネルギーが流れていく様子。
    ・時間が折り重なりあいながら、ゆっくりと先へ流れていく様子。
    ・形は時計をイメージしています。
  2. 黒い液体/枝のようなもの
    ・あらゆるエネルギーを黒い液体風に変換して表現しました。
    ・基本的に生物に流れる栄養素、血肉という物質が、
    ・次の季節へ移動していく様子を描いています。
  3. 紅葉と木枝
    ・秋に色づく葉の色と木枝を線で、表現しました。
    ・黒い線で1つ1つはゆっくりとした動きをイメージしていますが、大きな塊として見ると、静電気が全体を走るような閃光をイメージしています。

 

 

[終了しました]ナオキ・シシド初の個展「浸蝕-shinshoku-」開催中!
会期:2022年7月1日(金)〜8月31日
開催場所:和多屋別荘 POP UP STORE(フロント前)
入場料:無料
詳細:イノベーション・パートナーズ
(音楽現代2022年8月号プレビューに関連記事あり)

 

音楽現代2022年9月号─「移り行く季節」

 

 とある静かなまちに訪れた実りの季節をイメージしました。
田園は金色に輝き、木々は赤や黄色に体を染めあげます。
季節が移り行く度に、変化する景色。
地球上のそれぞれの命が互いに変化することで生まれる季節の色。
秋には、何か力強さを感じると、僕は思います。(ナオキ・シシド)

 

「9月号のモチーフ」作者からの詳細解説はこちら。 ↓

  1. ハープの塔
    …春の音色とともに桜のような花を、開花させたシンボルタワー。
    夏は青々とした緑の葉をつけ、秋になると紅葉
  2. 白い塔
    …地域、領域と呼ばれる場所の中心に位置する。
    世界に存在する数々の街を統括する為に建設された建造物の一つ。
    周りには無数の街が存在していて、各街には「シンボルタワー」が存在する。
    春の音色とともに動きだした街に刺激され、このタワーも活動を始めた。
    タワーの復活により、周りの街も動き始めた。
    現在は一部破損しているらしい。
  3. 緑の葉/夏の葉っぱ
    …太陽の光をいっぱいに吸収する緑の葉。
    大気を浄化し、心を癒す。
    生物には欠かせない存在。
  4. 紅葉の始まり/稲穂、紅葉
    …金色に輝く田園の様子。実りの季節が訪れる。
    葉が紅葉していくイメージ。

上記はナオキ・シシド氏の解説だが、時折「春」の様子についても言及している。実は2022年4月号の表紙画「素晴らしい季節」と9月号の表紙画「移り行く季節」は、同じ世界線の情景が描かれているという。

 

4月号の景色と9月号の景色

 

ナオキ・シシド「4月号(左)では、時の止まった荒廃した街に、春の訪れを告げる音楽が鳴り響く様子を描いていますが、9月号(中央)は、時が流れはじめ、季節という概念が生まれ『春』から始まった時間の流れが、『秋』へ変わっていく様子を描いています。

そして4月号、9月号の2つの情景は、別の方向から、別の住人が見た景色として描いています。街と共に動き始めた住人が各所で生活をしながら、それぞれが街と共に生きている様子をイメージしています。

大きな世界が存在し、それぞれの場所で、それぞれの住人が、別々の時間を歩みを進めている。『世界は個々の世界の連鎖』ということを表現しています。」

 

音楽現代2022年8月号─「稜線の月」

 

 稜線から望む神秘的な夜空をイメージしました。
月の満ちる夜は山々を見渡せる程に明るく、闇夜には無数の星々が姿を現します。
そして山肌には、変動の激しい天候や気温差の環境で、強く根を張る高山植物の生き様に心が震えます。
山とは師。歩けば今生きる意味を、少しずつ教えてくれる気がします。
題材となっている曲は、ベートーベン「月光」になります。(ナオキ・シシド)
「8月号のモチーフ」作者からの詳細解説はこちら。  ↓

  1. 月…夜空に浮かぶ月。月は、静かな光で夜の山々を照らす。新月の夜空には、天の川など星々が姿を現す。
  2. 月光を受け、夜に姿を映す山々の様子。静寂に包まれた稜線の景気は、見る者の精神を研ぎ澄まし、心の旅へ誘う。
  3. ミヤマキンバイ(深山金梅)…高山植物※表紙に個人的に好きな高山に咲く花々を全4種を隠した。
    その1つ目「ミヤマキンバイ」鮮やかな黄色と梅を想わせる5枚の花弁が特徴。花言葉は「幸せ」
  4. ミヤマクワガタ…花のガクが、兜のくわがたに似ている事が名前の由来。花弁の色は薄紫をベースに、濃い紫のスジが入っており、小さながら存在感がある。花言葉は「純粋、多彩な人」
  5. イワギキョウ…高山の岩場に多く生えるキキョウ。キリッとエレガントな青みがかった紫色の花。花言葉は「感謝、誠実な恋、美点の持ち主」
  6. チングルマ…白く可憐な花。開花後に、綿毛と呼ばれる全く異なる姿になる。第二形態ともいえるその姿が、風車に見えることが名前の由来とされている。
イノベーション・パートナーズ様で、8月号を紹介していただいております。

音楽現代2022年7月号─「夏朝日」

 眠れず飛び出した夜明け前。
眼前に広がった暗い海の向こうから、まぶしい光線を連れた太陽が昇り始めました。
次第にじりじりと熱くなる体。その上を透き通るような風が優しく吹き抜けていきました。
神々しい太陽の姿に、生きる力をもらった夏の日の思い出です。 (ナオキ・シシド)

〈クイズ〉
暗い海から、まぶしい光線を連れた太陽が昇り始め、生きる力をもらったある夏の日。その背景から聴こえてくる曲はフレデリック・ショパンの力強いあの曲のようです。なんの曲かわかりますか?

ヒント1:力強いアルペジオの曲です。。

ヒント2:ショパンの練習曲の中の1曲です

ヒント3:表紙作品についてナオキ・シシドさんは「広がった海」という言葉を使われています。

(もう、おわかりですね。答えは詳細解説の下)

  1. 太陽=向日葵(ひまわり)
    …強く眩い光を放ち、その姿を現す太陽。
    遥か彼方、空と海の境界線で燃え滾る様は、夏に咲き誇る“向日葵”の花を想わせる。
    ひまわりの花言葉は「情熱」
  2. 大海原
    …果てなく広がる海。生暖かい風は、海面を優しく撫でながら、静かに波音を奏でている。
    光の反射で海は燃えるようにと輝いている。

朝は、1日の始まりを告げ、私達の世界に光を届続けてくれます。
夜は、静寂を迎え、私達に安らぎを与えてくれます。
夏は太陽が一番近い季節なので、2つの関係がよりはっきりと感じることができると思います。
僕もこの広い宇宙の一部なのだと感じた時、なんとも言えない感覚に心が躍ります。(ナオキ・シシド)

 

〈クイズの答え〉
ショパン/12の練習曲集(エチュード集)第12番「大洋」Op.25-12 ハ短調

音楽現代2022年6月号─「雨の庭」

 

 恵みの雨が降り注ぐ6月。
潤いを待ちわびた庭先の住人たちは喜びで賑わいます。
梅雨の時期はつい家の中に引きこもってしまいがちですが、自然界は反対にどんどん活気づいていきます。
外に出て、夏に向けて緑を濃くする草木をかき分けてみると、生き物たちの小さな世界が垣間見られるかもしれません。(ナオキ・シシド)

ドビュッシーの「雨の庭」から、雨をたたえる裏庭のいきものたちをイメージし、描いてくださったという今月の表紙。

「雨」を喜んでいる「いきものたち」を、みなさんはいくつ思い浮かべられますか? 「カエル」「カタツムリ」「紫陽花」…子どもの頃に観察した記憶なども蘇ってきそうですね。

生き物たちのあふれんばかりの生命力が水の表情と共に大胆にそれでいて緻密に描かれている作品です。

雨が長引く6月は、人間とっては少々ブルーな季節かもしれません。
そんな季節こそ、外に出ていきものたちの社会をじっと観察してみたい。そこにはきっと、どんよりとした気持ちを吹き飛ばすようないのちの輝きがあるはずです。(ナオキ・シシド)

  1. 庭の住人「カエル」:庭に住む住人の代表。いつも赤いキノコに座って、雨音に耳を澄ませている。
  2. 庭の住人「カタツムリ」:水しぶきのなかに隠れているカタツムリ。庭には隠れた住人たちが実はたくさんいる。
  3. 庭の住人「ノーム」:雨に紛れ、姿を表す。雨の日の濃密な時間と空間を楽しんでいる
  4. 庭の心臓:いろいろな生物が集まる庭は、それ自体が一つの生命体のよう。
  5. ガクアジサイの花:梅雨の時期を代表する花。人目に触れない裏庭にひっそりとつつましやかに咲く。
    花言葉は謙虚。
  6. クローバーの葉っぱ:いろいろないきものの暮らす裏庭が、穏やかで幸せな場所であるように、という願い。
    花言葉は「私を思って」。

シシドさんが所属されているイノベーション・パートナーズ様でも小誌の表紙をご紹介してくださっています。併せてご覧ください。
https://innovation-partners.jp/news/2022/05/16/1074/

 

音楽現代2022年5月号─「explosion」

 

 母なる大地を鮮やかな新緑が覆う5月。いのちの輝きを感じる季節です。地球の起源に思いを馳せながら、生まれ来るすべてのいのちと、それらを生み出す存在である母という存在を表現しました。
大地を震わすほどに力強く拍動する無数のいのち。爆発的にみなぎるそのエネルギーが、僕にも力を与えてくれます。(ナオキ・シシド)
[クイズ]
今月号の表紙に登場している曲は何の曲だかわかりますか?
  • ヒント1
    2/4拍子、ハ短調の曲。冒頭部で扉を叩くような印象的なモチーフが提示されている。
  • ヒント2
    ベートーヴェンのある交響曲の第1楽章冒頭が描かれています。
  • ヒント3
    冒頭の動機は「ジャジャジャジャーン」と表現されることが多い。
    (答えは表紙のモチーフ解説の下)

[モチーフ解説]

  1. 女性
    新しい命を身ごもることをきっかけに、「母」と呼ばれるようになった存在。
  2. 受精卵
    いのちの発生。
  3. 誕生するいのち
    爆発的なエネルギーを持って発生するいのち。
    母の日の花であるカーネーションの花冠をイメージ。
  4. クラリネット
    人の声に近い音を奏でる楽器。産声をイメージ。

 

[クイズの答え]
描かれている楽譜は、ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」です。

冒頭のジャジャジャジャーンは『運命が扉をたたく音』とも言われていますが、シシドさんは、「僕は地底から力強くいのちがみなぎる様子を思い浮かべました。」と表現されています。イノベーションパートナーズ様のサイトでさらに詳しい解説が公開されていますので、ぜひ併せてお読みください!

https://innovation-partners.jp/news/2022/04/14/1069/

 

音楽現代2022年4月号─「優しい季節」

荒れ果てたまちに春が来た様子。
まちのシンボルタワーである「ハープの塔」は、人々が消えた現在でも春になるとグスタフ・ランゲの「花の歌」を奏で、まちに春の訪れを告げる。
優しくあたたかいその旋律が流れ始めると、まちのあちこちでゆっくりと花々が蕾をほころばせ、無機質な街が生命力で満ち溢れる。
春はどんな場所にもどんな人にも平等に訪れ、殺伐としていた景色を彩り、傷ついた心を包み込む。殺伐とした街が再び彩りを取り戻したように、傷ついてとがった心も少し優しくなれる。
春は、不思議な力を持つ季節。(ナオキ・シシド)

“荒れたまちに訪れた花咲く季節” をイメージされ、いろいろな花が見え隠れしています。花々と共に流れてくる音楽は風にのって、平和への願いも運んでいるかのように見えます。

楽譜はなんの曲がおわかりになりましたでしょうか?

ハープの塔
…優しく繊細な音色でまちに春の訪れを伝える。

咲き乱れる桜
…優しいピンク色がかつてにぎやかだったまちの大切な思い出を呼び覚ます。
日本の春を象徴する花。

タンポポ
…花言葉:幸福
荒廃したまちに訪れた幸せな時間を表す。

イノベーションパートナーズ様で、音楽現代4月号をご紹介いただいています。
https://innovation-partners.jp/news/2022/03/14/1043/

 

 

音楽現代2022年3月号─「春風と目覚め」

春の始まりと自然の生命力をイメージしました。渡り鳥「ひばり」が日本を発とうとはばたくと、春の訪れを告げる風が吹き抜けていきます。少しずつ暖かくなる空気の中で、生き物たちは冬眠から覚め、草木が芽吹きはじめます。まだまだ静かな大地ですが、耳を澄ますと生物達の鼓動が聞こえてきそうです。 (ナオキ・シシド)

いろいろな表情の「緑」で表現されている今月号は、草木が少しずつ芽吹き、成長していく「春」の表紙です。楽譜にはチャイコフスキーの「ひばりの歌」(「子供のアルバム」よりop.39-22)も見え隠れしています。よくおしゃべりする「ひばり」は「春の季語」にもなっている渡り鳥です。

春の息吹と共に、聴こえてくるのはどんな調べなのか、どんな匂いなのか、五感を研ぎ澄まして観賞してください。

  1. ひばりの翼…ひばりは、秋冬に日本を訪れ、春になると旅立っていく渡り鳥。 羽ばたきとともに、春風を連れてくるイメージ。
  2. まだ眠っている大地…植物や冬眠中の動物の息遣いが聞こえてきそうな静かな大地。
  3. チャイコフスキー/「ひばりの歌」…ここでは、ひばりのさえずりとして表現。 明るい歌声を響かせながら、ひばりたちが静かな大地の上を飛んでいく。
  4. 互いに引き合う…ひばりに連れられた風が合流し、勢いを増しながら空を駆けていく。
  5. ヴァイオリン…木から生まれる音色。ざわめく木々。風のように繊細でありながら力強い音色が、春を歓迎する。
  6. 鎖につながれた翼…季節の移り変わりを象徴する翼。春風とともに冬の厳しさの鎖から次第に解放され、生命力みなぎる季節へと飛び立っていく。
  7. 新緑のつぼみ…春に向け準備をする植物の様子。
  8. 大地の鼓動…冬眠から目覚め始めた生物達の鼓動。
  9. アネモネ…花言葉は儚い恋。 春という季節に恋する気持ち。また、儚いその幸せな季節ををかみしめたいという思い。

 

イノベーションパートナーズ様で、音楽現代3月号をご紹介いただいています。
https://innovation-partners.jp/news/2022/02/14/1012/

 

 

音楽現代2022年2月号─「白鳥と夜の湖」

白鳥の初恋を描きました。冬の夜の湖。自然界の無常を伝えるように、湖面を撫でる風と波の音だけが静かに響きます。凍てつくような寒さの中で、2羽の白鳥が芽生えたばかりの温かな思いを分かち合います。永遠の安息が約束されない世界で愛し合ういのちの力強さ、美しさを表現しました。(ナオキ・シシド)

 

凍てつく世界での強い生命力と惹かれ合う姿から聴こえてくる音楽をぜひ想像してください。
作品に込められたさらに細かな意味を、ナオキ・シシドさんに解説していただきました。

  1. 十字架にみたてた雪の結晶
    =自然の無常。常に死と隣合っているさま、メメント・モリ(memento mori)。
  2. 時計回りの歯車の歯
    =静かに刻々と流れる時。
  3. スノードロップ
    =花言葉は「初恋のため息」。
  4. サン=サーンス「白鳥」の冒頭(ハ音記号での楽譜)
  5. 白鳥のカップル
    =左は雌。静かに漂いながらも、雌から伸びる青い線は、殺風景な景色のなかでもひときわ輝く様子を表している。 右は雄。雌の輝きに魅せられ、着水してきた。
  6. DNAの二重らせん構造
    =厳しい自然の中において命がけで行われる生物の営みを表現。

イノベーションパートナーズ様で、2月号についてご紹介いただいています。
https://innovation-partners.jp/news/2022/01/14/998/

 

音楽現代2022年1月号─「音と記憶」

 


音楽が心に記憶されていく様子を表現しました。ある音楽を聴いたときに芽生えた感情や、その時に見ていた景色。これらはどんなに時間が経ってしまっても、その音楽を聴くと不思議と鮮やかに蘇ってきます。音楽の、記憶の扉を開ける鍵としての側面を思いながら描きました。(ナオキ・シシド)

 

 

表紙を眺めていると、とある曲が聴こえてきます。

楽譜を見つけられましたか?
この曲は……

そうです。
モーリス・ラヴェル/「ボレロ」の冒頭のフレーズです。

最初から最後まで規則的なリズムが刻まれ、そこに何度も何度も同じメロディーが繰り返し現れる曲で、時の流れを意識して聴かれる方も多いかもしれません。

楽譜から少し下に視線を送るとそこには花が3つ並んでいます。

左から、寒菊、福寿草、福寿草。

寒菊は、12月31日の誕生花。
福寿草は、1月1日の誕生花。

演奏が進み、1月1日へ日付が変わっていく様子が描かれています。

視線をさらに右下に下げていくと、ハート型が。心臓の鼓動もまた一定のリズムで刻まれていきます。周りに歯車の歯も描かれており、これは時計にみたてられているそうです。

また、右側のうずまきは、聴覚をつかさどる器官「蝸牛」をイメージされているそうです。

音楽を感じる心と経過していく時間。

「音楽を聴いている時に見ていた景色は、音楽とともに少しずつ記憶の扉の奥に形作られてゆき、遺伝子レベルの記憶として私たちに刻まれているのではないか?」
というシシド氏の考えが詰まった作品です。

イノベーションパートナーズ様で小誌についてもご紹介いただきました。
https://innovation-partners.jp/news/2021/12/14/983/

 

●ナオキ・シシド プロフィール●

ナオキ・シシド(株式会社 イノベーションパートナーズ所属コンテンツクリエーター)
会社員として働く傍ら、佐賀県嬉野市の老舗旅館「和多屋別荘」内のアトリエにて創作活動中。2021年夏、「循環する生命」をテーマに書道家・山口芳水氏とのコラボレーション作品を制作。若手アーティストの登竜門「Independent Tokyo 2021」にて同氏に披露いただく。その他「和多屋別荘」館内レストラン”SHINZO”にて作品を展示中。生物や機械のモチーフを多用した精緻な異世界描写や感情表現が特徴。

 

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