ムソルグスキー=高塚昌彦編「展覧会の絵」2台のピアノのための〈改訂版〉

改訂版
モデスト.P.ムソルグスキー「展覧会の絵」
〈2台のピアノのための〉
高塚昌彦 編曲

 

菊倍判 68頁

定価4180円[本体3,800円+税]

※ ショップによっては、旧版が残っている可能性がございます。必ず「改訂版」ということと、価格をご確認の上、ご購入ください。

 

Promenade
1. グノムス
2. 古い城
3. チュイルリー(遊びのあとの子どもたちのけんか)
4. ヴィドウォ
5. 孵化しきっていない雛鳥のバレエ
6. サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ
Promenade
7. リモージュ。市場(大ニュース)
8. カタコンブ(ローマの墳墓)
9. 鶏の足の上にたつ小屋(バーバ・ヤガー)
10. 勇士の門(古都キエフの)

 

本編曲は作曲者自筆譜ファクシミリに基づいている。強弱、速度、表情の記号と標語は原譜のとおり両パートに記しているが、パートの分担により片方を省略している箇所がある。記号と標語は編曲者の意図により追加し、その全てを( )で括っている。

ペダルの表記は作曲者の指示以外の所でも( )をつけて、あくまでも参考として追加している。ペダル表記のないところでも十分にペダルを活用すべきである。

作曲者による運指の指示はまったくないが、編曲者は一部で運指を提案している。

 

編曲意図、および演奏上の諸提案

「2台のピアノのための『展覧会の絵』」を出版して以来、十数年が経過し、その間、いくつyかの誤りが見つかっただけでなく、より効果的と思える編曲箇所も出てきて、今回、改訂版を出すことにしました。基本のアイデアに変更はありませんが、改めて編曲の糸を明らかにしたいと思います。

「展覧会の絵」を管弦楽編曲するという誘惑に誰もが駆られるのは、各標題曲のモチーフ、フレーズが何らかの楽器をイメージさせてしまうからだが、自筆譜を見るかぎり、ムソルグスキーは「展覧会の絵」を管弦楽などの下書きではなく、ピアノ曲として完成させている。
オーケストレーションの代表格であるラヴェルの「展覧会の絵」がロシア的情緒、色合いに欠けているとの指摘は以前からなされてきた。その理由の一つに必要以上に色彩を豊かにしていることが挙げられる。原曲に色彩感はあるにしても〈勇士の門(古都キエフの)〉は別として、カラフルな色彩ではなく、どちらかというとくすんだ数種の色、あるいは濃淡だけのモノクロに思える。
ロシア語のイントネーションや声楽的なフレージングを失っているのはラヴェルの責任というより、オーケストラの一般問題だろう。

 

─ 略 ─

 

〈勇士の門〜〉は単なるパート分けではなく、2台ピアノだったら作曲家がそうしたのでは、と推測できる脚色的なアレンジを試みた。

 

─ 略 ─

 

〈勇士の門〜〉は11世紀、古都キエフの異民族の侵攻を退けた英雄諸公、戦士たちを讃える凱旋門として建造された。この栄光のキエフ公国の時代に仮託し、ロシアの混沌、専制政治による抑圧、農奴制から立ち上がろうとする民族の勇気と未来への希望を高らかに謳い上げたのがムソルグスキーの、時代をこえたヒューマニズム精神が刻印されている。
讃歌の合唱と教会の鐘が渾然一体となったフィナーレを、2人の奏者は想いを1つにして弾ききってほしい。(高塚昌彦)

 

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